Koaloha Custom Tenor (Black Label)
特別なモデルに使われるブラックラベルの初期のモデル.
メーカー:Koaloha
型番:Custom Tenor
サイズ:Tenor(14Fジョイント)
材質:トップ スプルス,サイド バーズアイメイプル,バック 3D・コア
指板:エボニー

2004年製のコアロハ・ブラックラベルのテナーサイズです.
ちょうどブラックラベルが作られ初めた頃のモデルだそうです.
聞いた話では3本程度作られたものだとか.

中古で入手したのですが,サドルはTASQに変わっていました.オリジナルは牛骨だったと思います.そのため弦高は高めでピッチも合わない状態という状態.フレッドは何故か4弦側にヤスリ目が残っている状態.たぶん前のオーナーが色々やってたんでしょう.
このままでは演奏しにくいのでアコースティックデザイン渋谷の梅田氏に調整を依頼して弦高調整,フレッドの摺り合わせ,PUの取り付けをお願いしました.

フレッドの傷は見事に消え去り,弦高はギリギリまで下げられ,角の立っていたナットもなめらかに調整してもらいました.
元からついていた4弦はフロロカーボンのLowGで,これは調整してもオクターブピッチが合わなかったので巻き弦に交換.巻き弦の方が細いのでこれでオクターブピッチも全ての弦で合うようになりました.
調整してもらうとメチャクチャ演奏性も上がり,音も素直に出てくれるようになりました.
 弦高調整はかなり大事な作業なので,ちょっと弾きにくいとか,音に不満がある方はサドルの材質とともに調整をお願いしてみるとよいでしょう.あ,もちろん弦も一緒に見てもらいましょう.
自分で色々やってみるのも良いのですが,やはりプロの居るショップで相談されることをお勧めします.

さて,肝心の音です.
これだけ癖のある材の組み合わせだと,一体どんな音がでるのかとドキドキしていましたが,驚くほど癖のない素直な音色.スプルスの鳴りの良さはよく分かりますが,コアやメープルの特徴は隠れている感じ.
低音から綺麗になります.ブラックラベルはコアロハ的にバリバり鳴るモデルとは異なり音質重視の設計のようです.もちろん音量は十分なのですが,伸びと艶がありピアニシモにもよく反応するし,弦高下げた割にフォルテシモで音がビビリ過ぎることもありません.

iwao氏には「これもの凄く低音でるね!」とおっしゃっていただきました.(^^)
パーフリングは無いので正面から見るとすっきりした顔に見えるけど,ローズウッドのバインディングは入っている.
サイドはバーズアイメイプル.

指板横のスプルスが黄色く変色しているのがおわかりになりますか?
これは指板を接着した時のボンドが残っていると経年変化でこのように変色するらしいんです.
バックは3Dコア.
その名前の通り,杢目が立体的に見える.
かなりえぐい杢目です.

カスタム品に与えられるブラックラベルです.
あまり見かけませんがタイミングが合えば店頭でも巡り会えます.

ヘッドは見慣れたとんがり頭.
ヘッドの刻印も通常モデルと変わらない.

ペグはGroverのギヤ式が付いています.
ブリッジです.
コアロハはネジでブリッジを留めています.
あとでPUを取り付けました.
ウクレレ用のLR.BaggesのRTS2です.
サドル下にリボントランスデューサのPUを取り付け,アクティブプリアンプ内蔵です.
サウンドホールからのぞいているのはVOLのダイヤルです.

このPUはサドル下に置くタイプながらカリカリせずに素直な音色を出力してくれます.