占部弦楽器製作所 SM-50Pi
工房を見学させていただいたときに入手した想い出のウクレレ
メーカー:占部弦楽器製作所
型番: SM-50P
サイズ:ソプラノミディアム(14Fジョイント)
材質:レースウッド
指板:ローズウッド

これは占部弦楽器製作所の工房にお邪魔したときに入手したものです.
レースウッドと呼ばれる名前の通り,網目状の杢目が美しい木材です.

もともとはバブル時代に高級家具などに使用されることもあったらしく,この時代の木材が使われずに残っていたのを引き取ってウクレレに仕上げたそうです.

パイナップルシェイプです.
ネックに行くに従って細くなるシェイプはとても美しいのですが,実は肩の部分がこのように細くなっていると演奏中にウクレレが滑っていってしまうので意外と弾きにくいです.意外と不細工な四角の角を落としたくらいのシェイプの方がホールドしやすかったりします.
最近は占部さんのところでもパイナップル見ないですよね.
需要がないのかな.

SMサイズはソプラノとミディアムの中間もでる.ちょうどこのウクレレあたりから作り始めたサイズです.

音はパイナップルシェイプなのでとてもふくよかです.
レースウッドは芯のあるマホガニーのような印象ですが,ホンジュラスマホガニよりはポンッと音は出てきません.これはウクレレの形もあるのかな.
でも色気のある音は占部さんならでは.
なんか艶っぽいんですよね.まさにウラレレサウンド.

このウクレレはシリアルナンバーは"1011"
実はこのウクレレより前のものはシリアルナンバーついてないんです.
ですから実質上のシリアルナンバーつきはこれが一本目.

本当は展示会用に取ってあったものだそうですが,分けていただいてありがとうございました.m(_ _)m
ヘッド部分
蓮の花型ヘッドに○△□のヘッドのインレイ
ゼロフレッド採用.
ペグはグローバーなのでチューニングはしにくい.まあ慣れますけど.
最近のはギアペグになってるかな.

インレイはかなり荒く削ったところにアバロンを埋め込んでいる.そして隙間には黒いエポキシ樹脂が流し込まれている.これがなかなか良い味を出している.
こういう感じもアリでしょ.


レースウッドです.
美しい杢目ですね.
ちなみにネックまでレースウッドという凝りようです.

レースウッドにちかいシルキーオークは自分で曲げたこともありますが,白い点の部分とその周りの硬度が違うので曲げて行く途中でポロポロとおれていきます.

占部さんもネック作成のときは相当苦労されたようです.
やはり白い点の部分がポロポロとはずれていくのだそうです.
天板には良いけど,細かい作業は向かない木材なのでしょうね.
それでもウクレレにしてしまう占部さんって...
凄いです.流石プロ!

その当時新しくなった工房内も見学させていただいた.

沢山のウクレレの中からこの一本を選ばせてもらった.
どれもすてきなウクレレです.