Famous FX
 キワヤ「匠ウクレレ」の一本
メーカー:Famous
型番:FX
サイズ:Soprano (12Fジョイント)
材質:コア
指板:エボニー

Famous Function X シリーズの第一弾として販売されたウクレレ.
製作は森住雅彦氏によるもので「匠ウクレレ」として2006年に発売された.

カッタウェイのソプラノロングネック.
ボディはやや厚めの設定で,トップやバックはやや厚めに作られている.
バックに入る力木はやや斜めにセットされているし,ヒールも左右非対称に削り出されている.いずれもカッタウエイのボディに合わせて作られているらしい.

トップバックは厚めなのだが,胴が厚いので音は豊かで,低音もよく出ており鳴りの良いウクレレに仕上がっている.今のままでも十二分に音量はあるけど,時間が経てばもっと鳴るようになるだろうって予感がする.
ピッチも正確で演奏性も高い.これで”Famous”のロゴさえなければもっと良いと思うのだが...

 Famousがウクレレの底辺を支えて敷居を低くしてくれているのも分かっているし,実際入門器としてまず最初に手にするウクレレとして第一に名前が挙げられるほどの実績があるのも知っています.
でもそれだけ「入門用ウクレレ」として不動の地位を獲得したFamousだけに,名前を聞くと「ああ,合板の入門用のやつね」って印象を持ってしまうのは私だけじゃない筈.
折角こういう良いウクレレを出すのなら,中級以上の人も満足できるようなかたちを取った方がよいと思うのだけどなあ.
ヘッド表面は無地か森住氏のウクレレに準じたヘッドマークにしておいて,キワヤさんの名前はアキオ楽器みたいにヘッド裏にこっそりと"KIWAYA original"と小さいデカール入れてもらうくらいの感じにしておくと好感度上がります.

造りは丁寧です.塗装は微細な凹凸のあるセミグロス仕上げ.LA-UKEのに近い.
カッタウエイのボディなのにホールドは楽にできるし,本体もしっかりと抱えたまま演奏が可能になっている.



フレッドの脇には化粧板が貼られており,指板の含水率の変化によって起こるフレッドの出っ張りを気にする必要はない.

キワヤでは「フレットエッジ処理加工」と銘打っているが,そこまで大げさに言うほどではないかな.とはいえこれはこれで手間がかかるのでこの値段でカッタウエイと指板の処理をしたことだけも立派だと思う.

コアロハや椎原氏のウクレレもやってるよね.(椎原氏の安価なモデルには付いてるのを見たことがあるけど,全部やってあるかは分かりません.ごめんなさい)
後は確かに高いウクレレでないとこういうことはあんまりやらない.

緩やかな局面でカッタウエイのボディが形作られています.
変なカッタウエイだとウクレレを保持しにくいのですが,これは意外と持ちやすいですね.

 バックです.
柾目のコアをブックマッチで使っています.

ヒールが少しゆがんで見えますが...
実は本当にゆがんでいます.
カッタウエイの為なのか知りませんが,こうなってます.

ラベルはキワヤ社長の直筆とのこと.
せめて綺麗に印刷したものに森住氏と社長のサインを入れるくらいにしておけば良かったのに...
そう思いませんか?