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メーカー:山崎ギター工房 型番:地獄レレ サイズ:Tenor (14Fジョイント) 材質:トップ・エングルマンスプルス、サイドバック・ハカランダ 指板:ハカランダ 「地獄レレ」という穏やかはない名前のウクレレ。 事の発端は山崎さんが「悪魔の杢目」と表現したエグイ杢目のウォルナット。本当はこれをトップに据えてウクレレを製作しようという話になったのだけど、思いの外ウォルナットがしなるため変形を恐れ採用を取りやめた。でもこの杢目大きく使わないともったいないのでそれならピックガードに使ってみようということになったのだ。 このウォルナットの代わりにトップに使われることになったのはエングルマンスプルス。しかも縦方向にベアクロウが入ったエグイもの。 サイドとバックはハカランダにしてもらう。これも柾目ではあるんだけど一部の杢目がうねり、渦を巻いていたので地獄っぽいねなんて冗談ではなしていた。 で、この材の組み合わせはギターのようだから、スパニッシュギターなどに使われるセドロをネックに使ってみるかと提案された。 確かにマホガニーより硬質な感じの木材なので音に芯が出そう。 バインディングはブラックウッド。当初はレースウッドの予定だったけど印象が違うのでこの仕様に変更された。 さて完成したこのウクレレ。弾いたとたんに鳥肌が立った。 深みのある響き方をする。エングルマンスプルスらしい明るいサウンドも持ち合わせている。音の粒が立っているので単音の響きが気持ちよい。 サスティーンも十分すぎるくらいで、優しい気持ちで演奏ができる。 高音域の響き方は別格。上品で美しい音に思わず酔ってしまうのだ。 ピアニッシモからフォルテシモまで敏感に反応してくれるんだけど、へんな神経質さが感じられない。 鳴りの大きいモデルは力加減が難しいけど、これはコントロールの幅が広いので自分の思った音量が簡単に出すことができる。 ただこのウクレレ、演奏者には相当のスキルが要求されそう。 きれいな音を出さないとすぐにそれがウクレレの期待を裏切ってしまっているような気になってしまう。 運指の基礎練習、ストラミングの精度を高めておかないといけないなぁ。 |
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バックです。 シラタの部分が分断されていてかわいいらしい。 実はこの裏面はシラタの部分がつながた杢目になっているのです。 ほんのコンマ数ミリで杢目は大きく変化します。 下の方の杢目は渦巻いている独特の杢目。 最近は柾目よりもエグイ杢目のハカランダの方が人気があるらしいけど、その気持ちよくわかります。(笑) ヒールの部分にはカーリーコアがつけられており、ウクレレとしてのDNAを受け継いでいることを示しています。 ネックの厚みは自分好みに調整してもらえます。 音にも影響を与える部分なので相談しながら決められます。 |
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口輪と一体感のあるピックガード。 ワンピースではなく別々につけてある。 ピックガードはこすれる部分なので、あえて塗装はしていない。 しかし、この杢目の美しさは何なのだろう。 この杢目が欲しくてこのウクレレをオーダーしたようなものだ。 山崎ギター工房は杢目の美しさを最大限に生かしながら、木の持つ才能を最大限に発揮させウクレレを作り上げていく。 それ故できあがったウクレレには独特のオーラがあり、弾き手もそれに引っ張られるように演奏できる。 |
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12Fのところに象牙製のクロスが入る。 写真ではわかりにくいけど交錯した模様が美しい。 象牙は使い込んでいくと黄色みが増し透明感が増してくる。 ここは指で触れる部分なので成長が楽しみな部分です。 指板は500Rに丸めてもらっている上、太めのフレットなのでセーハーなどは楽にできる。 |
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GOTOHのクラシックギター用のチューナーをぶった切ったものを使用。 かわいそうだけど天使の足が切られている。 これも「地獄レレ」ならでは 天使さんごめんなさい。m(_ _)m ノブは黒い大理石模様でなかなか格好いい。 ウクレレ用のペグでもこの模様あったらいいと思うんだけどなあ。 |
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突き板にピックガードと同じエグイ杢目のウォルナットを使用してある。 ウクレレ用のものと比べて剛性感があり、チューニングはとてもしやすいです。 |
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ブリッジのハカランダ製 サドルは象牙。 かなり厚めのサドルにしてあるので理想的なピッチ調整が可能となっている。 弦と接する部分は広くとってあり振動を逃がさずボディに伝えられる。 ブリッジ下にある白い筋がベアクロウ。 熊が木をひっかいたような杢目からこの呼び名となった。 |