高木 勝

TAKAGI Masaru



がエリック・ドルフィーを初めて聴いたのは、確か21歳くらいのころだったと思います。当時は同じアルトサックスでもアート・ペッパーがアイドルで、四谷のジャズ喫茶「いーぐる」あたりで『So In Love』なんぞを聴いては感動しておりました。ドルフィーを知る前に、すでにコルトレーンをかなり聴いていた関係から、ジャズサックスの頂点はもうとっくに制覇した気でいたのです。そんな小生意気な僕を、ドルフィーは完膚なきまでにたたきのめしてくれました。

ルフィーの音楽の魅力は、まずはあのどこまでも肉感的な音色でしょう。ジャズ史上、サックス奏者は星の数ほどおりますが、今日にいたるまでドルフィーほど心を打つ音色を奏でるサックス奏者を僕は知りません。「肉声でソロをとる」といった表現がけっしておおげさでないほど、ドルフィーの音色は美しく、気高く、そしてときに壮絶です。

レージングもまた見逃せない魅力のひとつです。コルトレーンのシート・オブ・サウンドはいくらでもコピーされていますが、ドルフィーのしっかりしたタンギングで繰り出される激しいフレーズを再現できる人は、過去にも未来にも現れることはないでしょう。今は亡きミンガスとのコラボレーションは、僕にとってはジャズの魅力をすべて詰め込んだ宝石箱のようなものです。

る時、ミンガス・グループのヨーロッパツアーを収録したビデオを手に入れました。そこには、これまで音でしか知らなかったドルフィーの動く姿がありました。他のプレイヤーが演奏している時(確かジョニー・コールズ)には実に穏やかに、呆けたようなツラでながめていた彼が、いざ自分の演奏に入ると、見る者の呼吸が止まってしまうほどスリリングなプレイを展開し始めたのです。この時僕は、初めて神の技を目の当たりにした思いでいっぱいでした。

だエリック・ドルフィーを聴いたことのない方へのガイドブックとして、このページを作成しました。ひとりでも多くのドルフィー・ファンが、僕と同じ感動を共有してくれることを願っています。これからもコンプリート・ドルフィーを目指して頑張ります。



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