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野菜と果物の分類
※読んでも何の知識の足しにもなりませんので知的興味で読むのは御遠慮ください。
司会
「さて、「みんなのあれれ」コーナーの時間がやってまいりました。
今日のテーマはズバリ」(ジャカジャカジャン)
「野菜と果物の違いってなぁに?」
トマト
ギク。
司会
「いやまだ何も言ってないですから。
では街のインタビューを聞いてみましょう。」
女A:「えー。美味しいのが果物でぇ、そうじゃないのが野菜なんじゃないのぉー?」
男B:「愛くるしいのが果物で、泥臭いのが野菜なんじゃないですかね?」
司会
「おっと、なんだか適当な意見続出ですが、野菜って人気無いんですねぇ。
まぁ人気なんてどうでもいいんです。今日のテーマは「野菜と果物の違いはなぁに?」ですからね。
私個人の意見としては・・そうですねぇ、やはりデザートに使用されるのが果物、そうでなくておかずに使用されるのが野菜ではないでしょうか?
あ、ちなみに私は、カレーの干しブドウと酢豚のパイナップルは認めておりません。
さて、ではまずは自己判断で大まかに分かれましょう。
右に我こそは果物と思う植物、左に我こそは野菜だと思う植物は行ってください。はい!」
(ざわざわ、ざざー)
司会
「・・・・こらこらこら、サツマイモ君、君、こっそり果物に入るんじゃありません。
あなたは野菜でしょう?」
サツマイモ
「いやでも私、甘いし。スイーツだし。果物かなぁ、なんて。さっき司会者も言っていたじゃん。"デザートに使用されるのが果物"って。」
ジャガイモ
「果物は天麩羅にならねぇよ。諦めて大人しくこっちに来るんだな。」
その光景を見ていたカボチャがぼそぼそと水分の足りない声で笑った。
カボチャ
「薩摩限定イモの分際で果物を名乗るたぁ、お前、良い度胸だな。というかタダのアホか。」
サツマイモ
「なにをぉぉぉ〜!!」
サツマイモから湯気が出ていてちょっと美味しそうだ。
カボチャ
「お前が凄んだって屁でもねぇヨ。お前を食ったら屁が出るけどな!」
(自分ではうまいこと言ったつもりでちょっと自慢げ)
司会
「といいつつ、あなたもこっそり果物に入ってますが、如何なものでしょう。」
カボチャ
「俺は果物だ。パンプキンパイだ。パンプキンプリンだ。スイーツだ。」
司会
「さっきのサツマイモと全く同レベルの事を言っていますが・・・。」
カボチャ
「何か文句あるのかよ!果物と野菜の違いは甘さダロ!」
(じゃあサツマイモだって果物でイイジャンbyサツマイモ)
「そこの黄色いの!お前なんだ!なんだお前!お前見て甘いなんて言うやつ一人もいないだろ、このスッパマン!」
レモン
「失礼ね、わたしは間違いなく果物よ!この腐った黄土色がぁ!」
カボチャ
「・・・。
お、おうおうおう!言ってくれるじゃねえか。
じゃあ甘さじゃレモンの何百倍の俺が果物じゃないって根拠を示してみろよ!」
司会
「まぁ蜜柑が果物であるという絶対律から考えると、レモンも果物でしょうねぇ。
この場合、甘いもの=果物と言う前提のほうがおかしいのでしょうねぇ。私が最初言った見分け方はどうやら間違えだったみたいです。」
カボチャ
「なんだよ司会者の癖して贔屓かよ。緑黄色野菜は体にいいんだぞ。
・・・・・・・・・・・・・・・はっ!」
顔が一気に深緑色になる。
司会
「カボチャは野菜というで、問題ないようですね。」
ピーマン
「別にカボチャが野菜だろうが果物だろうが私はどうでもいいんですけれどね、
ただレモンについては一言、言っておきたいんですよね。」
何故か子供からは嫌われるツートップの片割れ、ピーマンがマイクを奪って語り始めた。
(ちなみにもう片方はシイタケ。)
ピーマン
「レモンなんてレモン100個分のビタミンCとか言って健康の代名詞みたいになってますが、私ピーマンにはレモン二個分のビタミンCが含まれてるのですよ。
「栄養ドリンクピーマン500」「ビタミンピーマン」「CCピーマン」
何故レモンなんだ・・。何故ピーマンじゃないんだ・・。なんでだぁーーー。」
司会
「(これだから中身のないピーマン頭は・・。)なんだか話が進みませんねぇ。
もう一度繰り返しますが、今日のテーマは「野菜と果物の違いはなぁに?」ですからね?ピーマンの叫びなんてどうでも良いんですヨ。はい、何か新しい意見ないですか〜?」
リンゴ
「木になっているのが果物で、そうじゃない泥臭いのが野菜ではなくて?」
イチゴが可愛らしく睨み付けた。
イチゴ
「好きな果物ランキング、常に上位に入るアタシが果物じゃないなんて、誰も言わないわよね。」
リンゴは可愛く頬を赤らめた。
リンゴ
「あら・・・そうね。
あ、そうだわ、思いついた!
名前に付けられるのが果物で、そうじゃないのが野菜って言うのはどうかしら?
椎名"リンゴ"、さくら"もも"こ、"バナナ"マン、多分、"イチゴちゃん"もいると思うし。後はジャック"レモン"に木"梨"憲武・・・。」
ナス
「はいはい!ナスノヨイチでーす!」
イモ
「オノノイモコでーす」
らっきょう
「井出らっきょでーす」
「もしかしてファンタじゃないか?」
唐突に、物凄くひらめいた顔でブドウが言った。
ブドウ
「ファンタグレープ、ファンタレモン、ファンタオレンジ、ファンタキウイ、ファンタグレープフルーツ。何々、みかんと柚子とアンズも限定発売されていた、と。
カ・ン・ペ・キ。」
ビワ
「ファンタ枇杷は無し。。と。
え、ワシ、野菜だったのか!!」
司会
「いやいやいや、ボケないでくださいよ枇杷さん、あなた果物ですから。
その辺に生っているくせに並べられると何故か御贈答用でイイ値段がつくんですよね。
ちょっと解せないですが、果物であることに間違いはありません。」
柿が手を上げた。
カキ
「生で食べるのが果物で火を通して食べるのが野菜って言うのはどうかな?」
司会
「オイオイオイ、そこ、ジャガイモ生で齧りなさるな!
そうまでして果物になりたいんですか・・。
そんな無理しなくても、良く考えたらレタスとかキュウリとか、生で食べる子達、いるから・・。
何だか疲れてきた。」
そこで豊満な桃がしゃしゃり出てきた。
桃
「そう、果物っていったらやはり、みずみずしいんじゃなぁい?
こう、ぎゅっと絞ったら青春の汗が迸るような・・。」
トマト
「というわけで、トマトは果物、と。」
司会
「まぁトマトの登場は想定の範囲内だな。面倒だから、とりあえず放置しておきますか。
どうですか、この分け方ーみずみずしいのが果物ってのは。(いい加減終わらせたいと思っている。)
あ、いいんじゃないですか、なかなか。うん。」
「せんせー!ここに変な人がいまーす!」
バナナ
「ぼ・・僕は果物だよ間違いないよ!」
司会
「あぁあ、コイツがいたか・・・。
えーとじゃあ・・・え?なんですか?
あ、ここでまたVTRがあるようです。まぁ見てみますかね一応。」
ぴろりんぴろりんぴろぴろ(イントロ)
「ダイエット豆知識」
野菜はカロリーがとても低く、ビタミンやミネラルが豊富なので、ダイエットには最適。果物には果糖が含まれており、カロリーの吸収効率がよいので、食べすぎると逆に太ります。
司会
「おっと、果物サイドから何か意見があるようです、なんですか?」
果物サイド
今のVTRには異議があります!野菜側に偏ったデータです!!えーと・・・
「イモ類は糖分が高く、野菜というよりは、お菓子に近いカロリーです。」
突然、サツマイモがキャベツに蹴り飛ばされる。
キャベツ
「っていうかお前は果物でも野菜でもネェ、芋だ。この試合に参加する権利はネェ。どっか行っちまえ。」
荒れているのはいつも付け合せの立場で、主役を張れないからだ。(ロールキャベツの時だけは輝く)
そんなだから、サツマイモだけで商売をしている石焼き芋屋を憎んでいる。
司会
「そこ、喧嘩しない。全く・・。個人的な恨みまで持ち込まないで下さい。
・・・あれ、さっきまで大きな顔して果物サイドにいた筈のスイカが、野菜グループに紛れ込んでいます。流石の私もこれには驚きました。」
スイカ
「教養のある方なら知っていると思うけれど、漢字で書くと、西瓜。
よぉ、兄弟!」
(南瓜の肩を叩く。)
カボチャ
「触るなこら。
西条さんと南条さんは親戚ですかっていうことですよ。
親戚なワケないだろうが。
よって西瓜は決して南瓜の親戚ではない。お前は果物だ、あっちいけ。」
スイカ
「スイカって、白い部分を味噌つけて食べるとキュウリと同じ味がするんだって。」
カボチャ
「お前も大概諦めが悪いな。頭をかちわってやりたいゼ。場合によっては手ぬぐいで目隠しもアリ。」
「ひぃ。」
スイカが果物に逃げ帰る。
司会
「すっきりした分け方が全然見つかりませんねぇ・・。
いつの間にかトマトが野菜サイドに当然の顔をして座っていますが、まぁ一応聞いて上げますよ。
心境の変化の理由は?」
トマト
「だって私、野菜売り場においてあるから!(胸を張って主張)」
一同沈黙。
トマト
「・・え、なに?何この沈黙・・。」
司会
「その手があったか!」
結論。
野菜売り場にあるのが野菜。
果物売り場にあるのが果物である。
※
一般的には「1年生の草本作物」を野菜と呼ぶらしい。
が、メロン、スイカ、イチゴ、バナナあたりはかなり微妙であり、
農水省の定義、植物学の定義、八百屋さんの定義、それぞれ異なっていることもあるらしい。
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