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脳結線

[素晴らしい発明も、私にかかればこんなくだらない話に成り下がってしまうのか。]

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「脳でカーソルを動かす」実験、サルで成功

 指の爪ほどの大きさの装置を脳に埋め込まれたサルが、考えただけでコンピューター画面のカーソルを動かしたという報告が発表された。身体機能の麻痺した人々が、頭で考えることによって、複雑な機器をコントロールできるようになる日が来るのではないか――今まで行なわれてきた数々の実験で、このような希望が生まれてきている。
AP通信2002年3月13日
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基本的には、こういう話、大好きである。
もし実現すれば、身体が不自由な人に限らず、健常者も日常的にこの技術を 使用するようになるかもしれない。 人間という種は、いかに怠けて生きるか、を追求し、日々努力を重ねている矛盾の生物なのである。
さて、この技術、ちょっと考えただけでも 様々な応用が考えられるであろう。
例えば電話のON/OFFも自動的に行ってくれる高度な手ぶらホン。
眠ろうと思ったら部屋の照明は勝手に消える。
TVのチャンネルは、勿論、好みの放送局に合わせられる。
こっちを向け、と念じると可愛い女の子が・・・いや、これは違うか。

とにかく、とても興味深い話である。
が、しかしである。
もし実際に自分に組み込まれたら、と考えると、この技術が実は恐ろしい 事態を引き起こす可能性を内包していることに気付くであろう。
だって、考えてもみなさいな。
私は、私が考えたことをやっていいのかどうか判断してから行動に移すからこそ、 この高潔な性格が保っていられるのである。
もし、考えただけで何かが動いてしまったら、流石の私も 何をしでかしてしまうか・・・。

例えば、銀行で。
例えば、宝石店で。
例えば、満員電車で・・・いやいやいやいやいや。

しかし、実際の話、例えば先程の自動ON/OFF照明でも、こんな危険を伴っているのである。
例えば、彼女が自宅に遊びに来てくれた時。
何気ない顔で、 「僕の部屋を見せてあげるよ。」と、彼女を寝室に案内した途端、 勝手に照明が消えたりしかねないのである。
そんなことになったら、ウブな僕たち私たちは困るのである。
邪(ヨコシマ)な考えがウハウハである・・・・・・・・ いや、違う、バレバレである。

また、電話の自動ON/OFFでも、電話の相手が上司だと分かった途端、 勝手に切れてしまいかねない。
っていうか絶対切れる。

さらには、友達とTVを見ているときに、 いくら手元のリモコンでチャンネルを変えても、懲りずに何度でもアダルトチャンネルに 切り替わってしまったりしたら、いたたまれない。

新しい技術が開発されるたびに、固陋な知識人達は、その危険性を声高に主張する。
しかし、彼らがどんなに頑張ろうとも、また、私という個人がどんなにサボろうとも、 人間の文明は確実にすすんでいく。
そして人々は、その文明に当たり前のように慣れていく。
だが、もし。

もし本当にこの技術が完成したら、 あなたはこの機械を自分に埋め込む勇気はありますか?

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