戻る
危険なメール
Eメールは便利だ。
それが無かった時代を、無論私は経験しているのだが、しかし今となってはもう
Eメール無しの日常生活は考えられない。
・・・とまあちょっと大袈裟に言ってみたわけだが、確かにEメールはとても便利で、
朝食のコーンフレーク程度には必需品である。
また、電話嫌いの私にとっては、それ以外の連絡手段が存在するという
のが、それだけでかなり有り難い。
しかしながらこのEメール、やはり、便利なだけではないのである。
美しい薔薇には棘があり、大安売りには欠陥があるのと同じように、Eメールにも
その便利さ手軽さと引き替えに「あ、やっちゃった」的リスクが存在するのである。
例えば、こんなことがあった。
ある日私は、隣に座っている会社の先輩に対しての、
ほんの少しばかり
悪意のある噂話を、同期の友人に送った。
文面は下記の通りである。
「○○さんが『×△−◎▼♀□÷☆』とか言っていた。
どうよコレ?(笑)」
こんな文面で、同期の友人に送った。
ーーーつもりが、本人(先輩)に送っていた。
「(笑)」が付いていたのがまだしもの救いか。
が、その後、その先輩から私だけ飲み会に誘われなかったところを見ると、
結構根に持たれているのかもしれない(笑)。
ちなみに、無論私はこの自分の失敗談を面白おかしく周りの人間にしゃべりまくった
為、この後しばらく「どうよコレ?」という文句が私の周りで流行ったのであった。
これは、入社して3ヶ月ほど経った時の話である。
Eメールの便利さの所為で、私は危うくクビになるところだったのである。
恐ろしいことである。
また、最近、こんな事もあった。
取引先にメールを書くのに、宛名を間違えたのであった。
具体的にどう間違えたのかというと、
「○○社××様」と書くところに、
××の代わりに自分の会社の課長の名前を書いて送ってしまったのである。
課長本人に指摘されて、初めて自分の間違えに気付いた。
しかもその直後、「すみません、休みボケしてました。」と謝りメールを送ったはいいが、
自分宛に送っていた。
そしてその2日後。
今度こそ間違えるまい、と、「○○社××様」と正しく書いたまでは良いが
送った先は課長のメールアドレスであった。
このように、特別そそっかしいわけではない筈の私ですら、こんな間違いを
四六時中やらかすのである。
世の人々は、もっと大変な事件を起こしているに違いない。
浮気相手へのメールを間違えて彼女に送ってしまうのは日常茶飯事。
恋人へのラブラブメールを社内全体へ送ってしまうのだってよくある話。
裏取引のメールをライバル会社に送ってしまうことだって時々はある。
詳細は添付しました、と書いておきながら、ファイルを添付し忘れるのは
それこそ当たり前。
文明が進んで世の中は便利になったが、「簡単に使える」というのは大体に於いて
「簡単に間違える」ことと同義である。
ボタンひとつの間違えで世界が破滅に向かいかねないこの時代。
私の失敗談を読んで、「自分ももっとすごいことやらかさなくちゃ!」と
頑張る人が少しでも増えてくれることを切に願う。
・・・実はただの悪い人である。
戻る