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ネズミーランド日記

ちょうど一年ほど前、ネズミーシー独り攻略(「ネズミーシー日記」)という快挙を成し遂げた私だが、今年はネズミーランド独り攻略にチャレンジすることとなった。人間日々チャレンジである。アンタはチャレンジャーだと 友人も認めてくれた。

タダ券を手に、少し並んで入場すると、そこは夢と阿呆の王国、心躍る異世界だ。
とりあえず何かから逃げるようにズンズンとアーケードを通り抜けたところで、 自分の写真を撮って友人に送りつけようと思ったら、携帯の電源が切れていた。
しかも気を取り直して入り口で引っこ抜いてきた地図と思しきパンフレットを開いてみたら、ただのイベント予定表だった。
この王国(ところで王様は誰なんだろう)には生まれてから何度か来たことがある。しかし、「真ん中のシンデレラ城周辺にはカモがいる。」以外の地図情報は全く脳に記録されていないため、早くもどこに行けば良いのか全く分からなくなってしまった。
しかし、考えてみればそもそも決まった目的地などないのである。じゃあ適当に歩いてみれば良いんじゃない?と前向き精神で改めてズンズンと進んでみたのだが、なんだか食べ物屋ばかりでアトラクションが見つからない。 もしかして見つけられないだけで隠れた入り口がたくさんあるのだろうか、とも思ったが、地図がないので進むしかない。
いや、勿論、戻って地図を入手するという選択肢もあるのだ。
だが、ここまで来たのに何もせずにすごすご戻るというのも今までの時間が無駄になるし、こういう場所には、あちらこちらの店先や従業員の隠しポケット内に、予備地図が用意されているのではないだろうか。そう思った。
そう思ったなら従業員にすぐ聞いてみれば良いわけだが、独りでネズミーランドをうろつく勇気はあっても、独りでネズミーランドの従業員に地図のありかを尋ねる勇気はない小心者の私なので、結局惰性で進み続けることになり、ついには袋小路に行き当たったのだった。

己の過ちを認めるのに遅すぎることはない。

・・・と言い切る根拠は皆無だが、この場合、直進よりも一時撤退した方が良さそうである。遅まきながら自分の負けを認め、来た道を帰る。
結局入場30分後にして振り出しに戻ったわけであった。

地図を入手し、気を取り直してまずはスペースマウンテン。
行ってみると45分待ちだということである。平日なのに混み混みである。けしからん。
去年のネズミーシーはカップルが多い印象だったが、ネズミーランドの客層はもう少し若いようだ。修学旅行中であるらしい高校生集団や、ヒマヒマな大学生の男女集団が目に付く。
修学旅行なら修学旅行らしく、こんな所に来てないで、学問を修めていなさい。
大学生なら大学生らしく、こんな所に来てないで、学ぶ権利を行使していなさい。
そんなことを考える社会人一名。
最後尾の親子に続いて並んだら、後ろに若い男女一団が続いた。
『うわーこの前の人、独りで遊園地かヨ!』とか思われているんじゃなかろうか、と思うと、ちょっといたたまれない気分になったが、『どうせこいつらも、周りが見えていない今時の若者でしょ、気付かれてない気付かれてない、きっと前の家族の一員だと思われているヨ』と決め付けて気にしないことにした。
それでも多少居心地悪いまま、およそ30分。
屋内(2F)に続くエスカレーターが、かなり近づいてきた。
どうやら乗り口のお姉さんが、人数を調節しながら中に人を入れているようだが、 後二度ほどのGOサインで私も中に入れそうである。
と思っていたら、横の列からすりぬけていく人たちがいるではないか!!
噂には聞いていたが、これが、ファーストパスなる仕組みなのか。 颯爽と入っていくカップル達を横目に、何となく僻みっぽい気分になった。
尤も、ファーストパスの配布量は、普通に並んで待っている人間に酷いストレスを与えない程度に調整されているのだろう、それほど待つこともなく通常ラインもGOサインが出て、とうとう前の家族も通過した。
よし、やっとこの時が来たか!
前の家族の付属品のような顔をして私も続こうとしたが、計ったように(謀ったように )ここで係のお姉さんのストップが、入った。
前の家族とは全く関係のない独り者であることが、後ろの若者達にバレてしまうではないか!
思わず、「ジェットコースターが怖くて乗れない相方が向こうで待っている人」の小芝居をしたくなったが、誰もいないところに手をふる勇気もないし、携帯の電源も切れているので待ち合わせをするフリも出来ないし、大人しく辺りを見回していた。
まぁこんな苦痛と屈辱の時間もどうせすぐ終わる。

そう思ったが、ピタリとGoサインが止まってしまった。
主観的時間速度を考慮しても時間がかかりすぎる。
そのうち係のお姉さんを含めた従業員がトランシーバーで何やら会話を始めた。
それほど切迫した様子ではないが、何やら緊急事態が発生した模様。

おいおいおい。
先日某ジェットコースターで死傷事故が発生したばかりであるし、絶叫系一般の 安全性に対する不信感が高まっている今日この頃。
私の鶏ハートも若干心拍数が上がったが、どんなにドギマギしていてもどんなに不安に駆られていても、無表情でただ待機していなくてはいけない独り身のさみしさよ。

暫くすると、従業員数名が担架を持って目の前のエスカレーターを上がり始めた。
さらに時間が経過し、止められたエスカレータを、今度は担架を持った従業員が 降りてきた。
目の前を担架が横切っていく。
上の人、ぐったりしてピクリとも動いていなかったけれど、あれは大丈夫だったんだろうか。
まぁ五体満足だったようなので、機器の故障等ではなかったのだろう。
でも、何のアナウンスもなかったのはちょっと頂けない。
その後さらにファーストパス人間が通り過ぎた後、止まったままのエスカレータを颯爽と徒歩で登り、コースターを楽しんだが、いつもとは違うドキドキ感が味わえた。

最初のアトラクションで、結構時間を使ってしまった。
しかも既に、疲れたような気がする。
どんよりと辺りを見渡すと、屋台発見。

そうだ、ポップコーンを食べよう!

兄の嫁さんが、ココナッツ味のポップコーンがあると言っていたっけ。
あれはシーの方だったかな?
パンフレットを見ると、ポップコーン売り場の位置と種類が載っていた。
どうやらココナッツ味はないものの、近くに「クリームソーダ味」という 珍しいポップコーンが売っているようだ。

今日はチャレンジの日なので、クリームソーダ味に決定。

真正面から攻めて「いらっしゃいませ」と言われると逃げられなくなるので、 死角を選んで斜めに接近する。
女子高生らしき2人組みが購入している間に味と価格を再確認。

うーん。
普通に買うと、蓋がない紙の入れ物で来るのかぁ。
そんなものを持ったままアトラクションには乗れないのに、 なんでデフォルトが閉じられる紙パックじゃないんだヨ(−−)

そんな人用に、ポップコーンを入れる容器「スーベニアバケット」も売っている。
というか、安くはないスーベニアバケットを買わせるために、 デフォルトの紙の入れ物には蓋が付いていない可能性もある。
そんな戦略にまんまと乗せられるのは本当は腹立たしいし、 こんなバケツなど欲しくもないのだが、もしポップコーンを紙の容器で購入したら、始末に負えなくなるのは目に見えている。
仕方なくプラスチック容器も一緒に購入することにしたが、 パケットなのかバケットなのかバゲットなのか良く分からなかったので、 「入れ物で下さい」と言ってみた。
もしかして入れ物だけで中身は入っていないのではないかと ドギマギしたが、ちゃんと入っていた。

世の中にはまだまだ経験したことがないことがたくさんあるものだ。
首からバケツをぶら下げて、ポップコーンを貪り食いながら歩いた。
なお、味の方だが、格別不味くはなかった。
ただし、ネットで検索すると、「不味い」という意見もちらほら。
「バケットを首から下げている大人はあまり見ない」という意見もちらほら。

その後は特筆すべき事件も起こらなかったが、以下、簡単にまとめておく。

・スターツアーズ
前回のネズミーシーで持った疑問、「こういうなんちゃってアトラクションは、目をつぶると全然動いている感じがしないんじゃないか?」を実証すべく、目をつぶって体験してみた。
結果:目をつぶったままでも意外に面白い。

・ビッグサンダーマウンテン
待ち時間15分程度。一度目が終わった直後に再度並んで二度乗った。
最初は最後尾、二回目は最前列だったが、予想に反して後ろのほうが下りのスピードが出ていて面白いことが判明。でもそれより、前のカップルが、「来るよ来るよ」と、明らかにスプラッシュマウンテンと勘違いしている会話をしているのが面白かった。

・スプラッシュマウンテン
前席は親子連れだったが、最後の落下の写真ポイントでは、前の親子より目立つべく、満面の笑みで両手を上げて写真に写ってみた。本日園内最初の笑顔。
ちなみに最初の小さい落下で勘違いして手を上げてしまったのがちょっと恥ずかしかった。

最後に再度スペースマウンテンに乗ろうかとも思ったが、何となく疲労を感じて帰ることにした。滞在時間、3時間弱。
どうも去年のネズミーシーと比較すると、混雑の所為もあってかテンションがあまり上がらなかったが、自分は独りポップコーンにも耐えられる強い精神<ココロ>の持ち主だということが実証できたので、よしとしよう。

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