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電子手帳を買う


<MDプレーヤーと私>
数ヶ月前、MDプレーヤーが壊れた。
海外旅行中、充電をしようとしたのだが、変圧器を忘れたお陰で、 見事に煙が立ち上ったのである。
何事にも、許容量というものがある。
私も、許容量以上の情報を与えられれば頭がパンクするし(←弱い)、 許容量以上の酒を飲めば記憶がとぶのである。
MDプレーヤーも、許容量以上の電圧を流されて、そりゃ煙だって出したくなるだろう というものである。
その後、MDプレーヤー君は健気にも数日間頑張ったのだが、奮闘虚しく (奮闘したのは私である) 二度と帰らぬ物となった。

私は困った。
強烈な音楽愛好家ではないが、それでも、外出する際には携帯音楽プレーヤーが ないと、耳寂しいのである。
ママのおっぱいがないと口寂しくて、というヘビースモーカーの気持ちがちょっと分かる様な気がする。
いやそりゃ変態だろう。
と、あやうく変態の気持ちが分かりかけてしまった私だが、悩みはもっと現実的で 切実だった。
通勤時の家から駅までの距離が退屈なのである。
人との待ち合わせの際、遅れた相手を待つ時間が退屈なのである。
無論、空想やら妄想やらで時間をつぶすことは苦手ではないが、その場合 自分の意図に反して顔がにやけてしまうという危険が常に伴うことになる。
それがどのくらいの危険なことなのかというと、 ある人の噂話を書いたメールを、間違ってその本人に送ってしまうくらい 危険なのである。
ちなみにこれは、私の実体験談であり、噂の対象者は、会社の隣に座っている 先輩であった。
・・・危険すぎる。
やはり、私にとって携帯音楽再生機は必需品であるようだ。
しかし、必要であればあるほど購入時には迷うのが、貧乏人の常である。
MDプレーヤーを買い直すか、それとも、CD-Rウォークマンか、 いやいや今はmp3プレーヤーが一押しか?
そうやって悩みながら、いつの間にか数ヶ月が経っていた。
つまり優柔不断なのである。

<手帳と私>
私は手帳が嫌いである(参照)。
その理由としてはいくつか挙げられるのだが、その中でも、 一度書いた文字が消えないというところが手帳が嫌いな理由のひとつである。
嫌いな奴の住所や電話番号を、1年間も肌身離さず持ち歩くというのが 我慢できないのである。記憶力と同様、心の許容量も極狭なのである。
超狭量なのである。
がしかし、社会人となった今、手帳がないのはやはりまずい。
手帳を持っていなかったばかりに大切なデートを忘れたり、 忘れるも何もそんな予定テメーにはないだろうとか思ってみたり、 いや、だからそんな話ではなくて、手帳がないために取引先に 行くのを忘れたり、それで部長に怒られて逆ギレしてクビになったり、 それで生活に困って神社の賽銭箱あさって捕まったり、とか そんな風にまずいこともいろいろとあろう。
これは早々に手帳を買わねばならない。
しかし、必要であればあるほど、購入時には迷うのが貧乏人の常である。
軽さ重視のカラフルミニ手帳を買うか、機能重視のシステム手帳にするか。
そうやって悩みながら、いつの間にか数ヶ月が経っていた。
つまり優柔不断なのである。

<電子機器と私>
実は、電気屋さんとかが結構好きである。
少なくとも、洋服屋に行くよりは好きである。
マニアというにはあまりに知識がなさすぎるが、新しい電子機器を購入したり すると、それなりに心が躍る。
しかしそんな私だが、実は携帯電話を持っていない。
電話が大嫌いなのである。
最早、まわりには携帯電話を持っていない人が皆無になってしまったが、 まだ当分は買うことはないであろう。
時流に逆らうのが趣味なのである。時流に乗り遅れてしまっているわけでは決してない。
そうやって悩みながら、いつの間にか数ヶ月が・・・いや、別に悩むこともなかったか。


以上のように、「○○と私」という自己中心的なテーマで 長々と考えてきたが、次で最後にしようと思う。
携帯音楽プレーヤーが欲しく、手帳が必要で、且つ、私はプチ電子機器好き人間である。
とくれば、三段論法を使うまでもなく、次のテーマは決定する。すなわち。

「PDAと私」

え?そんなテーマなの!?

そんなテーマになるのである。
ついでに念のため言っておくと、三段論法を使うとこの結論は出てこない。

<PDAと私>
私は手帳を買わねばならない状況においやられていたわけだが、 ある日、電子機器がちょっと好きな私にぴったりのものがあることを知った。
それがPDAである。
PDAというのは、Personal Digital Assistantの略称である。
実は、私も今知った。
ちなみに「個人の情報管理をあらゆる角度でアシストしてくれるようなコンピュータおよびコンセプトの総称」らしい。
これも今知った。
さてこのPDAーつまりは電子手帳であるーは、嫌いだけれど仕方なくつきあっている ヤツの住所を消したいとき、跡形もなく消去することが出来る、という素晴らしい利点 を持っている。また、それを見るたびに心がじくじくと痛むような過去の傷心デートの予定(しかも書き込んだときは滑稽にもウキウキしていたに違いない)をあたかも無かったことのように綺麗に消去する事もできるのである。
さらに、機種によっては、携帯音楽プレーヤーとしても使うことも出来るのである。


決定である。


実は決定してから購入するまでがまた長かったのだが(優柔不断だから)、 しかし、とうとう私はPDAを手に入れることに成功したのであった。

ウキウキしながら箱を開ける。
「まず、4時間程度充電してください」と書いてある。
ちょっと出鼻を挫かれた思いで、だが他にどうすることも出来ず、私は4時間待った。
こんな時私は、自分の非力さを思い知らされる。

4時間後。
使用説明書を見ながら電源を入れてみたが、どうも、動作が妙である。
説明書通りに動かないし、さっそくフリーズするし、「ちょっと奥さん困りますわ」 と誰もいない空間に向かって独り言を言いたくもなる。
が、とりあえず動くことは動く。 ・・・そのうち治るだろ。と、基本設定を終える。 そしてまず私がしたことは、無論、PDA用のゲーム(フリーソフト)を インストールすることである。
お前は何のためにPDAなんて高い物を買ったんだ?
自分でもちょっとツッコミを入れたくなった。
が、ゲームが出来ないPDAなんて、柄の入っていないアロハシャツみたいな物である。
・・・別になくても問題ない。
早速私はネットサーフィンを始め、いくつかのゲームをインストールしていった。
そして、とあるゲームをインストールし、実行ボタンを押すと・・・。

「fatal error」

日本人である私にも、この言葉の意味ははっきりと分かった。
「致命的な異常」
である。

致命的な異常?!


1あなたの頭の病気は致命的な異常です。
2あなたの顔の造りは致命的な異常です。
3あなたの未来は致命的な異常です。


ぁあ!
「致命的な異常」という言葉を使った文は、どれもこれも致命的に 辛いものではないか!!!


後ろについているリセットボタンを押しても、致命的な異常は治らない。
パソコンを買って一週間もたたないうちに初期不良で壊れた辛い過去を思い出した。

結局、ネットで調べまくって、ハードリセット(初期化)なる方法を見付け、 無事、なんとかそれで回復したのだが、この様子では 噂通り、保証期間が過ぎた翌日あたりに壊れるのではないかと思った。

その後、音楽プレーヤーとして使おうとした際、別途メモリース○ィックが必要だということに気づいたり、それが実は1万円もするということが判明したり(競合他社の メモリの倍の値段だ)、日常的にフリーズしたり、と、いろいろ問題もあるが、 今は仲良く一緒に通勤する仲である。

ー尤も、使っている機能は音楽再生だけである。
わざわざ1万円高いカメラ付きの機種を選んだが、それも買った当日に自分の顔を とってみただけで、以降使っていない。
苦労して入れたゲームも、通勤時間は専ら読書か睡眠に充ててしまうので、全く 必要がない。
何人かの携帯番号なども入れてみたが、自分の友達の少なさが良く分かるだけである。

ずいぶん高いmp3プレーヤを買ったものである。


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